コペンハーゲンを拠点とし、何度も世界一のレストランに選ばれ、料理界に大きな影響を与えたnomaが、京都に10週間のポップアップレストランをオープンしました。レストランで使用する家具は内装を手がけたOEO StudioによるデザインのもとでTime & Styleが製作しています。欅や吉野杉といった日本古来の素材を用いた家具が、新たにTime & Style のコレクションに加わります。
2023年の春にNoma Kyotoがポップアップレストランとして華開いたように、2024年秋、OEO Studioは再びnomaチームと協力し、Noma Kyotoのために魔法のような魅惑的な新しい空間をエースホテル京都に作りました。幼虫がさなぎから蝶に変身するように、その空間は新たな方向へと生まれ変わります。今年は、黄金色、茶色、赤みがかった葉が生い茂る森のベッドに包まれています。
日本の宮大工の技法に着想を得た木造の櫓が親密で温かく居心地の良い雰囲気を作り出し、そこには手縫いで糸を通した何千枚ものドライリーフが優雅に吊るされています。柿渋で染められた茶色と赤茶色の酒袋がプライベートダイニングルームの天井と壁を飾り付け、デンマークのSøuld社の海藻のパネルが装飾に使われています。
メインダイニングルームには日本人アーティストであり茅葺き職人でもある相良育弥氏による特注の茅葺きアートウォールが設置されています。新作の日本酒クーラーは昨年のワインクーラーと同じくアーティストの中川周士氏によるもので、異なる木を使用した茶色のグラデーションや蝶のディテールが目を引きます。そしてメインダイニングの中央の柱には、和紙アーティストのハタノワタル氏による柿渋染めの和紙が丹念に貼り込まれています。
本当にユニークなものを作るのは決して簡単なことではありません。Time & Styleとコラボレートした製品を発表できることを大変誇りに思います。
日本語の「交流」から名付けられたKouryuは、名前の通り異文化同士の美しい出会いを象徴し、日本とデンマークの美意識、品質、ディテール、職人技に対する共通の情熱を表現した椅子です。その姿や感触は日本とデンマークの両方の感性を体現しており、素材と表現に対する新たな視点を備えています。
デザインプロセスは1年以上にも及び、継続的な対話、粘り強い集中力、揺るぎない信念が求められました。目指したのは、見て美しいだけでなく、五感でその存在を捉えられる椅子を作ることです。腰掛けると美しく柔らかな木目や優美な丸みを帯びたカーブが身体を優しく包み込み、そして畳の座面からほのかに香るい草の芳香を楽しむことができます。
寺社建築によく使われる欅を使用したこの椅子は、その独特な木目と色合いが特徴です。また、畳を使用した座面は非常にユニークで革新的です。畳は伝統的に平らで四角い形をしているものですが、ここでは京都の畳職人の高い技術により柔らかく立体的な形を実現し、快適な座り心地と美しさをもたらしています。
museum cabinet for private collection はTime & Styleのものづくりの中でも象徴的なアイテムです。このキャビネットをNoma Kyotoのために日本の代表的な木である欅を使って製作しました。キャビネットの4面を突板よりも厚い3mmの挽板で覆うことで、欅の特徴的な木目と色が際立ち、力強い佇まいが生まれました。
欅は古くから日本の建築や家具の製作に重用されてきました。堅く暴れが起きやすい欅の加工は容易ではありませんが、卓越した職人の技術のもとで複雑な仕口を用いて製作しています。
Yoshino tableは日本の木工の伝統、特に釘を使わない宮大工の仕口からインスピレーションを得て、その姿と触感に日本とデンマークのエッセンスを取り入れています。
奈良県吉野産の杉材は150年以上かけて丹念に育てられた木から切り出された美しい柾目が特徴です。吉野の豊かな土壌は自然の美しさが引き立つ、きめ細やかでまっすぐな木目を育んでいます。
テーブルのデザインは森へのオマージュであり杉材の純粋な美しさと本質的な素材感を讃えています。継ぎ目や接合部、そして日本の伝統的な木工技術や建築様式に着想を得たシンプルでありながら複雑な構造がデザインのキーエレメントとなっています。
OEO Studio はコペンハーゲンを拠点とするデザインスタジオで、東京にもオフィスを構えています。プロダクトデザイン、住宅、公共プロジェクト、商業インテリア、クリエイティブディレクションの分野で活動し、国際的に非常に高い評価を得てきました。京都の歴史ある企業との取組をはじめ、日本でも数多くのプロジェクトが進められています。