“meeting horizons”

New Collection 2026

Time & Styleのデザインは、東洋の思想と伝統工芸の静かな知恵に根ざしながらも、常にまだ姿を見せないものに視線を向けています。単なる形を超え、伝統と可能性の間で紡がれる対話です。 

日本はアジアの果て、広い海に囲まれた島国。何世紀にもわたり、遠い海を越えてさまざまな文化や考え方が届きました。しかし日本はそれらをただ受け入れるのではなく、土地や気候、光、季節、自然の営みと共に息づかせ、穏やかに変化させながら独自の表現へと昇華してきました。 

南北に約3,000キロメートルに広がる日本は、多様な風景の国でもあります。雪に覆われた北の大地、温暖な南の海岸、深い森、広がる平原。多様な水、土、風。それぞれの土地が独自の素材と技法を育み、固有の工芸を生み出します。地域の伝統は土地に根ざし、かけがえのない声を響かせています。 

グローバル市場が画一性を求める世界の中でも、地域文化は自然のリズムに沿い、土地に根づいた本質的な価値を守り続けます。Time & Styleは30年以上にわたり、こうした声に耳を傾け、それぞれの個性を尊重しながら、一つの調和へとまとめ上げてきました。 

素材への細やかな眼差しと、時間と手によって培われた職人技。これらの根を持つコレクションは、光に向かって枝を伸ばすように広がります。東洋の哲学に導かれつつ、西洋の暮らしにも開かれたバランス。それは決して固定されず、生きて、変化し、何度でも再発見されます。 

今年のミラノ・デザインウィークでは、大城健作、Drill Design、OEO Studio、Imagebook、寺内由美、Wohl Hütteら国際的デザイナーと共に、この旅の新たな章を発表します。文化や距離を越えた対話を通じ、異なる感性がひとつの均衡に結実します。 

最高品質の素材と卓越した職人技によって形作られた新作コレクションは、地平線が分かつのではなく出会う世界を描きます。遠く離れた海岸同士が互いを認め合い、共通の言語が海へ向かって伸びる線のように、日々の暮らしの中で広がっていく提案です。 

TOKYO

2026年7月9日(木)– 7月26日(日)

 

Time & Style Midtown

東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3 階

03-5413-3501 / 11:00 – 20:00 / 年中無休

 

7月9日(木)(定員200名)

17時 – 開場

17時15分 – 18時 プレゼンテーション 

18時 – 20時 レセプションパーティー

OSAKA

2026年7月30日(木)– 8月18日(火)

 

Time & Style Osaka

大阪市中央区南船場2-7-14 大阪写真会館 1階

06-4708-3441 / 11:00 – 19:00 / 会期中無休

 

7月30日(木)(定員150名)

17時 – 開場

17時15分 – 18時 プレゼンテーション 

18時 – 20時 レセプションパーティー

The upholstered cantilever chair

The plywood seat cantilever chairと同じ成形合板フレームを基盤としながら、座と背のシェルにウレタンフォームを仕込みファブリックやレザーを張り込んだ仕様です。 

木材のしなやかな弾性にクッション性が重なり合うことで、より包み込まれるような座り心地を実現しました。カンチレバー構造特有の柔らかな揺らぎと、適度な反発力が調和して長時間の使用にも快適に応えます。 

張込みにすることで、フレームの木質感とのコントラストが生まれ、視覚的にも新たなリズムと表情が生まれました。構造の明快さはそのままに、空間への親和性と多様なインテリアへの適応力も広げた新しいラインナップです。 

The plywood seated cantilever chair

The wooden cantilever chair で作り上げた成形合板によるバウハウス式カンチレバー構造のフレームはそのままに、同じく成形合板の技術から作られる座と背一体型の木製シェルを持ったアームチェアです。 

フレームから自然に連続する一体感のある構成により、構造の美しさと潔さがより明確に際立ちます。座面は成形合板の特性を活かしながら身体に沿う緩やかな曲面を描き、ミニマルでありながら快適な座り心地を実現しました。 

装飾を削ぎ落とし、木そのものの質感と構造の流れを強調することで、フレームとシェルが一つの造形として静かに佇む新たなプロダクトとなりました。素材の持つ温もりと、構造体としての強さ。その両立を最も純粋なかたちで体現したモデルです。 

The woven cantilever chair 

成形合板の技術を基盤に、素材と構造の可能性を探る中で生まれた、木製のバウハウス式カンチレバー構造のチェアです。座面と背には、ヌメ革ベルトを編み込んだ構成を採用しています。 
 
成形合板は、木材の特性を活かしながら、曲面形状と十分な強度を両立できる素材です。その適度なしなりにより、荷重を受け止めつつ自然にたわみ、身体の動きに沿った軽快な座り心地をもたらします。 
 
また、ヌメ革を一本ずつ編み込んだ座と背は、革本来の伸びと柔軟性によって適度な可動域と張力を生み出します。座る人の体格や姿勢に応じて形状が変化し、その動きが木製フレームのしなりと連動することで、安定したフィット感を得られる構造となっています。 
 
無垢材のように楕円形状へと削り込まれたフレームは、手に触れた際にやわらかな感触を持ち、ヌメ革は使い込むことで徐々に風合いが変化していきます。異なる素材の経年変化が重なり合い、時間とともに製品の表情が少しずつ深まっていきます。 

Yoshino Breath Armchair

奈良県の吉野地域は日本で最も古い林業地であるとされ、500年以上にわたり、人と森が調和しながら、美しい木材を産出する技術が培われてきました。長い期間をかけ細やかな間伐を繰り返すことによって幹がゆっくりと成長し、年輪幅の細かい、緻密でよく詰まった材が育まれます。吉野杉の木目は直線的で意匠的にもすっきりと洗練されており、節の少なさや心材の上品な色合いも特長です。 
 
この優美な吉野杉を使って、カップとプレートを製作しました。吉野の木地師が木工轆轤で一点ずつ丁寧に挽いて製作しています。吉野杉の清楚な美しさをそのまま生かした木地仕上げと、漆を重ねて耐水性や耐久性を高めた拭き漆仕上げの2種類を揃えています。 
 
木製のカップは陶器やガラスとは異なり、熱伝導率が低いため、冷たい飲み物を入れても結露しにくく、熱い飲み物を入れてもカップが熱くならずに飲み物が冷めにくいのが長所です。プレートも同様に断熱・保温効果に優れていることはもちろん、調湿作用も備えているので、パン皿などにも最適です。 

Truss back chair 

By DRILL DESIGN

17世紀のイギリスで生まれた木製椅子ウィンザーチェア。その後世界中に広がった数々の形式の中でも最も古いといわれているのが、「コムバック・ウィンザー(comb-back windsor)」です。水平の笠木からスポークが平行に並んだ背の形状が櫛(comb)のようであることからその名がつけられ、この椅子が誕生した17世紀から現代まで世界各地で数々のコムバック・ウィンザーチェアがデザインされてきました。 
 
Truss back chairはその最も古い形式をベースに、より立体的な座り心地の椅子を目指してデザインされています。一番の特徴は斜めに差し込まれた印象的なスポークにあります。アームのラインから上下に伸びる長さの異なるスポークが、並列ではなく斜めに差し込まれることで描かれる複合的なラインが、背中の形に寄りそう立体的なシェルを形成しています。 
 
スポークが三角形のトラス配置になっていることで緩みを防ぎ、剛性と強度の高いプロダクトになっています。そして軽量であることもこの椅子の大きな特徴です。ゆったりとした存在でありながら、構造的に軽量化の工夫を施しています。素材には比重が軽く強度のある日本の栗材を使用しています。その優美な木目と他にはない色の美しさも栗材を採用した大きな理由のひとつです。 

DRILL DESIGN

林 裕輔と安西葉子により2001年に設立されたデザインスタジオ。プロダクトデザインを中心に、空間、グラフィック、マテリアルなど、カテゴリーを超えてデザインとディレクションを行う。これまでにMUJI、Camper、TIME&STYLE、CRASSEVIGなど国内外のパートナーにデザインを提供し、東京、シンガポール、ミラノ、パリ、ストックホルムなどの都市で展覧会に出品している。

Pentagon

ぺンタゴン(五角形)という、規則性が定まりきらない不思議な形状に着目しました。 
 
六角形や八角形のような秩序だった多角形とは異なり、五角形には方向性があるようで定まらない、独特の存在感があります。その曖昧さと自由さに、形としての可能性を感じました。 
 
Pentagon は、日本庭園に見られる飛石や敷石の配置思想を起点に、その感覚を五角形のフォルムへと落とし込んだソファーです。あらかじめ動線や使い方を規定するのではなく、使う人の感覚に委ねることを大切にしています。四角でも丸でもない、独立した五角形のモジュールは、きっちりとしすぎることがありません。並び方や間合いによって、会話、視線、居心地は静かに変化し、決まった正解のレイアウトは存在しません。 
 
単体ではひとつの居場所となり、連ねれば緩やかなつながりが生まれ、間隔をあければ心地よい余白が生まれます。飛石のように、人の動きや距離感に過度に干渉することなく、自然なふるまいへとそっと導く。Pentagonは、そんな静かな在り方を目指したソファーです。 

Double concerto sofa

Double concerto sofaは、Concerto sonataにハイタイプのクッションとボルスタークッションを新たに加えたモデルです。ボリューム感のあるクッションが空間に上質なアクセントを添え、洗練された雰囲気を演出します。 
 
クッションの中材にはフェザーとウレタンを使用し、その混合比を丁寧に吟味することで、長時間座っても疲れにくく、やさしく包み込まれるような座り心地を実現しました。また、ボルスタークッションのおもりには無垢のオーク材を採用することで自然素材ならではの存在感が背面の佇まいにより一層の奥行きを与えます。 
 
ソファを構成するそれぞれの要素が競演し、対話する様に響き合いながら、静かで上質なイメージを創り上げます。 

Treves

By Kensaku Oshiro

急速に進化するテクノロジーは、私たちのコミュニケーションや暮らしのあり方に大きな変化をもたらしています。テレビを中心としてきた従来のリビング空間も、いま改めてその役割を問い直す時期に差し掛かっています。こうした背景のもと、自然な会話や交流が生まれる新しい「集いのかたち」を探ることから、このソファの構想は始まりました。 
 
近年、「非対称」や「不完全さ」という考え方が、空間やものづくりを捉え直す視点として意識されるようになっています。日本文化が育んできた「間」に象徴されるように、非対称の中に美を見いだす感性は、長く受け継がれてきました。そこに、完璧さを求め続ける現代社会への違和感や、未来に対する静かな不安が重なり合い、こうした価値観は、いま改めて根源的なものとして捉え直されています。 
 
非対称性は空間に余白を生み、物事を部分ではなく全体として捉える視点を与えてくれます。不完全であるからこそ自由な価値が生まれ、次の時代へとつながる美意識が宿る。そうした発想の広がりが、プロダクトや空間をより創造的な方向へ導いていきます。 
 
このソファの各モジュールは、柔らかく丸みを帯びたソリッドなフォルムにスリットを施し、角度や形状を少しずつ変えながら、互いに寄り添うように構成されています。非対称性は造形上の特徴にとどまらず、座る向きや距離、姿勢の選択肢を広げ、自然なコミュニケーションを生み出すための仕組みでもあります。 
 
組み合わせ次第で、カウチソファとしての構成や、対話を促す配置、空間を緩やかに分節するレイアウトなど、多様な表情をつくり出します。 
 
Trevesは、人が心地よい距離感でつながり、言葉だけでなく気配までもが交わる、新しい「集いのかたち」を提案するソファコレクションです。 

Stone Garden sofa 

Stone Garden sofaは、Stone Gardenの思想を踏襲したバックレスト付きのソファです。 

新たに追加されるバックレストのサイジングは、Stone Gardenが持つ水平方向に広がっていく日本的な空間のイメージを損なわないために細心の注意を払い吟味し、その結果として、当社の代表的なソファよりも平均して100mm以上も低く設定したバックレストがこのプロダクトを特徴付ける大きな要素になりました。 

ソファとしての剛性を担保するために構造は木枠に変更し、その上に積層するウレタンとフェザーの量を調整することでStone Garden特有の柔らかな座り感と張り感を再現しました。 

また、このプロダクトは、既存の布団マットレスや畳と組み合わせる事でその真価を発揮します。畳モジュールが持つ日本の本質的な空間原理を、現代の建築空間に新たなレイヤーとして挿入する事でフラットかつ開放的な広がりを持った住空間を実現します。 

The montains of the floating layer

空間の中でふわりと浮かぶ、快適な居住環境をイメージしたシーティングシステムです。 
リビング空間で水平方向に広がり、温もりのあるウッドフレームがフロアレベルから浮き上がることで、空間にもう一つのレイヤーを生み出します。 
 
スリムなシートは Sバネ構造によって座面に適度な弾力の基礎を作り、シートとバックレストはこれまでのソファシートよりも深いストロークの優しい座り感を実現しています。 
 
豊富なサイズバリエーションに新たに45°コーナーとワイドカウチが加わります。 
45°コーナーは、従来デッドスペースになりがちだったL字型レイアウトのコーナーに、 
「座る」「崩して預ける」「寝転ぶ」といった複数の過ごし方が交差する居場所へと変えていきます。 
 
ワイドカウチは通常よりも330mm奥行きを拡張しました。内部構造も見直して広がった余白が姿勢や過ごし方を制限しない自由な居心地を生み出します。 
 
この二つの新たな余白がソファに求められてきた定型をほどき、居住風景に新たな奥行きを描き出します。 

The horizon of the floating layer bed

The horizon of the floating layer sofa の考え方をそのままに、同じ思想でベッドをつくることはできないだろうか。この問いから、本製品の開発は始まりました。 
 
地平線のようにフラットで、静かに広がるプロポーション。当初からこのソファーは、座るための家具であると同時に、身体を横にして休める場所としても構想されていました。その延長線上に、ベッドというバリエーションが生まれることは、必然でもありました。 
 
軽やかに浮き上がるような削り出しのウッドフレームに、クッション性を持たせた張込み仕様のヘッドボードと背クッションを組み合わせています。マットレスの下にはスノコ構造を採用し、通気性と快適性を確保しました。 
 
マットレスの上で過ごす時間が、より穏やかで豊かなものになるよう、ヘッドボードはソファーよりも背を高く設定し、身体全体を預けられるクッション構成としています。読書や休息の時間から、自然に眠りへと移行できるよう配慮しています。 
 
ベッドとしての役割を改めて見つめ直し、眠りに入るまでの過ごし方と、その先に続く穏やかな睡眠の時間のために、構造・寸法・クッション性のすべてを設計しました。 

Landscape seating elements 

日本人は古くから自然を敬い、親しみながら共生してきました。Landscape seating elementsはそうした日本人が持つ自然観を背景に、大小さまざまなボリュームのユニットを組み合わせることで、雄大な山景や平野を抽象的に表現しながら居住空間を自由に創造することを目指したモジュールソファです。 
 
モジュールは950mmのシンプルなユニットを基本としながら、背付きシートやオットマン、アームといった機能に合わせてそのボリュームを設定しました。L字型の様な一般的なソファの組み合わせはもちろん、360°からアクセス出来るソファの向きを一方向へ限定しない、より自由度の高いレイアウトにも柔軟に対応します。 
 
その組み合わせによって生まれる高低差とリズムはリビングシーンに留まらず、ダイニングやキッチン、窓の外の景色とも呼応しながら、空間と人との関係性をゆるやかに紡ぎ出します。 
 
座面にはフェザーを用い、身体をやわらかく受け止める座り感を追求しました。 
削り込みを施した無垢材の脚部がシートを床から軽やかに持ち上げ、水平に広がる風景の中に新たな人の居場所を創出します。 

Cone table

意匠と構造を一体として捉え、要素を簡潔に整理したプロダクトです。 
 
ステンレス板をテーパーロール加工によって成形した円錐状の脚を構造の中心とし、形態と構造が明確に連続する構成としています。 
 
カフェテーブル、ローテーブル、サイドテーブルへと用途に応じて展開しながら、共通のプロポーションと設計思想を共有しています。 
ステンレストップ仕様には粉体サテン塗装を施し、耐久性と耐候性を確保することで、アウトドアでの使用にも対応しています。 

Soe

Design by Wohl Hütte

日本の床の間に見られる「違い棚」の思想と構成を手がかりに、現代の暮らしに寄り添うスケールへと再解釈した棚です。 
 
器や花、書物などを受け止めながら空間の秩序や気配を整えてきた違い棚のあり方を踏まえ、用途をあらかじめ限定せず、リビングやソファまわり、ベッドサイドなど、生活の中で自然に役割を見出していくプロダクトです。 
 
構成は最小限に抑え、面と線の関係性、そして内包されたわずかなずれや間によって生まれる陰影や余白を大切にしました。 
棚そのものが主張するのではなく、置かれた物や周囲の環境と呼応しながら、見る角度や光の入り方によって表情を変え、静かに佇みます。 
 
素材には国産のクリ材の柾目を用い、うづくり(浮造り)によって木目の凹凸を際立たせました。光の加減によって濃淡が穏やかに現れ、小ぶりなスケールの中にも素材そのものの存在感が宿ります。 
 
すべてのパーツは簡単に取り外しが可能で、持ち運びや移動にも適した構成としています。 

Wohl Hütte

Wohl Hütteは、2006年に堀部 善之と堀部 順子によって設立され、岐阜県を拠点に活動しています。 

永く使える機能性とデザイン性に、人間の感覚に触れる要素を重ね、使い手と空間との関係性を重視して、デザインから製作までを手掛けています。近年では海外でも、各国の展示を通じて日本製の家具を発信してきました。 

木工と彫金の技術を習得した背景からの視点と、空間全体からの視点により、異素材を組み合わせて質感と奥行きのあるデザインを、木製家具を軸にキッチンや空間設計まで展開しています。 

古来からの技術・素材・環境を尊重しながら、それらを現代の文脈へと再解釈し、現代から未来へとつながる豊かなものづくりを創造しています。 

Grid Composition

無垢材と構造が生み出す、秩序あるグリッドの構成。Grid Composition は、ひとつひとつがそれぞれ独立した家具として完結すると同時に、壁面に固定し、浮遊する構成とすることも可能です。独立したユニットを壁面で組み合わせることで、空間に応じた意匠性と機能性を構築できます。 
 
素材には無垢材を用い、接合部には伝統的なアリ組継を採用。構造そのものを意匠として表し、静かで誠実な佇まいをかたちづくります。無垢材でありながら、フレームや小口は薄く繊細に設計。量感を抑えた輪郭が構造のリズムと陰影を際立たせ、空間に穏やかな存在感をもたらします。 
 
引き出し、開き扉、オープンシェルフなどの異なる形式は、いずれも単体で成立することを前提に設計されています。それらを用途や空間に応じて組み合わせることで、グリッドの反復が壁面に奥行きを生み出します。 
 
収納でありながら、建築的な構成を備える家具。Grid Composition は、使い手や環境の変化を受け入れながら、長く空間に寄り添う存在であることを目指しています。 

Pillars of Memory

かつての日本において、建築や道具といった生活の基盤は、地域の風土に根ざした自然素材と職人の手技によって支えられてきました。先人たちは未来の世代の資材を確保するため、計画的に植林を行い、百年単位の時間をかけて森を育む共生のサイクルを維持してきました。しかし、この百年の間に社会は工業化へと転換し、金属や樹脂といった大量生産品が主流となりました。これに伴い、伝統的な木造建築や手仕事の場は縮小し、かつて未来のために植えられた杉や欅の大径木が、その価値を十分に発揮できる舞台は失われつつあります。 
 
本作品は、行き場を失いかけている樹齢の長い大径木に、伝統的な古典建築の「刻み」や「継手」といった精緻な加工を施した柱材のオブジェ作品です。木肌に刻まれたホゾ穴や継ぎの意匠は、単なる造形表現に留まりません。それは、長い年月をかけて木を育て上げた先人たちの意志に対する敬意の表明であり、自然素材を高度に扱う職人文化へのオマージュです。 
大径木が持つ圧倒的な存在感を通じて、現代社会における資源の在り方の新しい試み、そして先人から受け継いだ精神性の再考を試みています。 

Vista frame shelf

Vista frame shelf は収納を目的とした家具でありながら、空間の中に風景を切り取るためのフレームとしても存在するオープンブックシェルフです。背板を持たない構成により、視線は棚の奥へ、さらにその向こうの空間へと自然に抜けていきます。 
 
従来の突板を使用した製品ではなく、無垢材を用いたブックシェルフとして削ぎ落とされた構成となっており、縦材・横材の木口はさらに薄く削られディティールがつながる様に組み上げる事で静かな意匠性と構造としての緊張感を併せ持っています。 
 
グリッドは、均一な構成のものから、大小異なるフレームが連なり、途切れ、重なり合う構成のものまで、複数のバリエーションによって成り立っています。それらを組み合わせることで、単一の秩序にとどまらない、奥行きのある風景が生まれます。この構成は装飾ではなく、使い手の行為や感覚の多様性を受け止めるための余白です。本やオブジェ、あるいは何も置かれない空間が、ひとつひとつ異なる「景色」として切り取られ、光と影を受け止めることで棚全体の表情をつくり出します。 

Jizai shelves

「自由自在」とは、仏教思想を背景とした言葉で、心のままに万事を動かしうること、思いのままにすること。また、その様を意味します。

この棚は少し広めの壁があればどこにでも設置出来ます。一人でも簡単に持ち上げられるので、思い立ったら場所を移し、気軽に掛け替えることも出来ます。棚自体を動かすことも、棚板を外すことも容易なため、掃除も苦になりません。キッチンやダイニングでは器や日用品の見せる収納として、リビングではオブジェやフォトフレームを飾ったり、書斎の一角では読みかけの本や文具もすっきりと収まります。空間を大きく占有することなく活かし、周囲には清々しさがもたらされます。まるで掛け軸のように、季節や気分、来客にあわせて設えを一新するのも楽しいものです。

組み立て式なので、必要のない時は畳んで仕舞っておくことさえも叶います。場所や用途をひとつに決めてしまわないことは、他の可能性を捨てずにいることでもあるのです。Jizai shelvesは、自由自在であることを見て触れて感じることが出来る道具であり、そうあるための方法であり、具体的な提案となるでしょう。

猿山 修

デザイン事務所「ギュメレイアウトスタジオ」主宰。グラフィック、プロダクト、及び空間デザインを広く手掛ける。各地の窯元等にデザインを提供する一方、陶工、金工等の作家との共作も多数。演劇、映像及び展覧会のための作曲・演奏活動も行う。

Amakakeru

Design by Yumi Terauchi

天を翔る雲のように。 

日本特有の精緻な木組みと、美濃和紙のやわらかな肌合い。細く、長く、天へとのびる雲の気配に着想を得て、その儚く移ろう印象を造形へと翻訳しています。 

木枠に和紙をまとわせた直方体の構造体は、職人の手によって一つひとつ組み上げられ、和紙を丁寧に貼り合わせることで完成します。複雑な構造やおさまり、強度、仕上げの美しさに徹底的にこだわり、試行錯誤を重ねることで生まれました。

意図的に不均衡に構成されたフォルムがもたらす、どこか不完全な感覚。その揺らぎは、上空を漂う雲の軽やかさや、重力から解き放たれたような気配を映し出します。見る角度によって異なる表情を見せるその姿は、自然界の不規則性や作為のない美しさを想起させます。

 灯りをともすと、和紙を透過した光がやわらかな陰影を描き、静謐で奥行きのある表情が空間に広がります。障子越しの光を思わせる控えめな明るさは、光と影のあわいを生み、空間を強く照らすのではなく「調える」という、日本古来の美意識に通じています。消灯時には、和紙の彫刻のように、静かに空間に佇みます。 

足元には、庭園や茶室の石畳を想起させるスチールベースを据えました。自然の景色の延長として受け止めることで、照明全体を一つの風景として成立させています。 

寺内ユミ 

クリエイティブディレクター・デザイナー 

インテリアデザインオフィスおよびインテリアショップでの企画業務を経て、1998年に独立

Terauchi Design Office Co., Ltd. を設立し、以降、クリエイティブディレクション、プロダクト、インテリア、アートといった多様な領域で活動を展開。ブランドのアイデンティティを確立するための、一貫性と多角性を兼ね備えたクリエイティブワークを得意とする。 

「本質 ― そこにある何か ― を捉えること」を大切に、自然や風景、日本の美意識を反映したプロダクトを数多く発信。グッドデザイン賞やRed Dot Design Awardをはじめ、国内外で受賞歴を持つ。  
2022年にはアートブック『There I sense something』を出版し、第25回日本自費出版文化賞にて“大賞”を受賞。さらに、佐賀県唐津市にて新しい工芸の魅力を伝えるギャラリー「TOKIWAGI」を開設するなど、創作と発信の場を広げている。  

Cylinder

アルミパイプをそのまま活かした、円筒形の傘立てです。余計な装飾を一切排し、カットしたパイプに底板を組み合わせた潔い構成が、素材の質感と色の美しさを際立たせます。 
 
長傘用と折りたたみ傘用の2サイズを揃えたスタンダードな単筒タイプのほか、細径のパイプを7本束ねたタイプは、傘を1本ずつ独立して収納できる機能性とリズム感のある造形が特徴です。単筒タイプは屑入れやその他の長物の収納としても使用することができます。 
 
アルマイト仕上げによって染色されたアルミは、工業的な素材でありながら透明感のある色彩と柔らかな光沢を湛え、シンプルな幾何形態に彫刻のような存在感を与えています。 

Ukigumo

By DRILL DESIGN

柔らかく雄大に空に浮かび、刻々とその表情を変化させる大きな雲をイメージしたモビールです。このモビールは基本形である天秤型に、上下を反転させた「もう一つの天秤」がぶら下がる独自の構造を持っています。風を受けると部分的に回転しながら全体の形が少しずつ変化し、優雅な動きが生まれます。ひと筆書きのような輪郭線で描かれた雲は浮世絵に見られる日本独自の表現にもつながっています。 
 
精巧な曲木技術を施された杉のパーツは軽やかに動き、木の香りが動きを通して空間に広がります。かすかな風や人の動きと連動し緩やかに表情を変えるこのモビールは雄大で自然の営みを感じさせるオブジェとして空間に存在します。 

Moku

By Imagebook

空に憧れた魚たちのオブジェ。普段は静かに浮かび、ひとたび風を受けるとプロペラが軽やかに回りはじめ、その穏やかな姿が暮らしの中に優しい時間を運びます。

家具へと姿を変える木材も、端材と呼ばれる小さな木片も、元を辿れば長い年月をかけて育った一本の木です。私たちは、その恵みを余すことなく大切に使いたいという想いから、自社の木製家具の製造工程で生まれる端材を活用するプロジェクトを立ち上げました。木部には国産の栓、山桜、楢の端材を用い、木目の表情を大切にしながら一点一点手作業で研磨した後、自然由来の塗装で素材の色合いを引き出しました。真鍮鋳物のベースは漆を手塗りして仕上げています。素材の選定から仕上げまで、丁寧に重ねられた工程のすべてが、ひとつの佇まいをかたちづくります。 

Imagebook

Imagebookは東京を拠点とするイワサキデザインスタジオを母体に始まった、好奇心と冒険心を手がかりに進める創作活動です。その時々の関心に身を委ねながら、少しずつかたちにしています。 

Tokio

by OEO Studio

Tokioキャンドルスタンドは、東京の建築や都市の風景から着想を得た小さなオブジェのシリーズです。建築的な要素と、構造と空間の関係性を繊細に表現しています。 
単一の素材に異なる仕上げを施すことで、サテンのやわらかな質感から鏡面のような鋭い輝きまで、各面に多様な表情が生まれ、都市に見られる光の反射や陰影を想起させます。

これらのピースは、富山の熟練した職人の手により、ロストワックス技法を用いて鋳造され、精緻なフォルムへと仕上げられています。 

Nagare stool

By OEO Studio

Nagareは、日本語で「流れ」を意味し、軽やかでありながら集中の中で生まれる自然な動きを示唆します。本作ではその流動性に身を委ね、かたちをあらかじめ定めるのではなく、素材と物理的な力との関わりの中から、おのずと立ち現れるものとして捉えています。そこには、かたちと素材がそれぞれのありのままの姿を映し出しています。

本プロダクトは富山県にて、何世代にもわたり技を受け継いできた職人の手によって、一体成形で丁寧に鋳造されています。長年にわたり寺社の仏像や梵鐘の制作に携わってきたその技と精神は、この作品の中にも静かに息づいています。 

Tama

By OEO Studio

Tamaという名は、「真珠」や「宝石」を意味し、丸く、特別な存在を表しています。Tamaベースのデザインはミニマルでありながら、素材と職人の技によって洗練された佇まいを備えています。やわらかく詩的な印象を持ち、僧侶が用いる数珠のような真珠の連なりや、森の気配を思わせます。

吉野杉の美しい木目と、空間にほのかに広がる繊細な香りを引き立てるように設計されており、単体でも静かな存在感を持ちながら、花を生けることでその魅力がより引き立ちます。 

Kitsutsuki

By OEO Studio

Kitsutsukiは、日本の伝統的な掛花入を発想の源としたプロダクトです。その名は日本語で「キツツキ」を意味し、森の情景や器のかたちを想わせます。吉野杉または欅の無垢材から削り出し、成形されています。

やわらかで触感のあるフォルムは、素材の質感と造形の美しさを引き立てながら、花や枝の佇まいを静かに際立たせます。 

OEO Studio

OEO Studioは2003年にトーマス・リッケとアンヌマリー・ブエマンによって設立され、建築、インテリア、プロダクト、ブランドデザインなど、多岐にわたる分野で国際的に活躍しているスタジオです。細部へのこだわりと配慮、そして卓越した職人技から名声を博しています。

コペンハーゲンのスタジオと東京のプロジェクトオフィスは、地域に根ざした環境と体験を大切にしながらデンマークの伝統とアジアの美学を融合させています。

「魅力的なミニマリズム」という哲学に基づき、多岐にわたるリサーチから、上質な素材と質感を活かした、明確なデザインを導き出し、時代を超越した記憶に残るデザインを生み出しています。