TIME & STYLE
NEW PRODUCTS
2025

伝統技術と現代デザインが融合した新たなコレクションを発表いたします。職人の手によって一つひとつ丁寧に作られたプロダクトは、秋田杉、美濃和紙、鋳物など、日本の素材が使われ、伝統と革新が融合しています。新しいコレクションは、チェア、サイドテーブル、シェルフ、キャビネット、パーテーション、照明など、現代的なインテリアに溶け込むプロダクトで構成されています。

日本、スウェーデン、デンマークのデザイナーと共同で開発したプロダクトは、簡潔性、優雅さ、そして本質的な美意識への追求を反映しています。

染織家・築城則子氏と「小倉縞縞」、そして当社が共同開発したインテリアテキスタイルをはじめ、寺内ユミ氏による陰影の美しい和紙と指物を用いた照明「Amagumo」、大城健作氏が手がけた曲木加工と鉋仕上げの技を活かした椅子「Vestige」、ドリルデザインによる革新的ウィンザーチェア「TLSB chair」、北川大輔氏が多素材で構成した椅子シリーズ「Struct chair」、コペンハーゲンの OEO Studio がデザインした、欅の削り出し座面に畳を張り込んだアームチェア「Kouryu」など、国内外のクリエイターによる意欲作を発表いたします。

chairs

chairs

Woodnote

100年以上にわたり曲木の技術を受け継いできた唯一無二の椅子工場が秋田県にあります。曲木は、木の美しさと強さを活かしながらも、柔らかで流れるようなデザインを生み出す技術です。私たちはいままでもその技術を用いて曲木の椅子を製作してきましたが、その熟練の職人たちが長年培ってきた手仕事の技を昇華させ、奇をてらうことなく実直に、かつ新しい表現をもった曲木椅子を作り出す事を目指しました。 

曲木は曲線美が魅力ですが、そこに削りの加工を加え、独自の楕円の断面形状を実現させました。全体的になめらかに繋がり変化して行く楕円形状は、プロダクトにいっそうの立体感と個性をもたらします。また、その手作業による精密な削りは温かみを感じさせる滑らかな手触りと、体を包み込むような優れたフィット感にも繋がります。 

伝統技術に対する深い敬意のもと新しい挑戦を取り入れた今回の曲木のチェアは、現代のライフスタイルに調和するモダンな軽やかさがあり、空間に心地よさをもたらします。手間と時間をかけ、手仕事の跡を感じることのできるこの曲木椅子は、普遍的で時を超えて愛される存在であることを目指しています。 

 

TLSB (Triangular Legged Scroll Back chair)

1850年ごろから1900年代前半までイギリスのハイウィッカム地方で大量に生産され人気を博したスクロールバックチェアと呼ばれるウインザーチェアの型式があります。19世紀のヨーロッパでは産業革命以後に人口が急増したことから、食卓で使う小さな椅子の需要が高まっていきました。ウインザーチェアの産地であったハイウィッカムでも、そうした背景から座面を極端に小さくした新しい椅子が考えられました。背もたれをスピンドルで構成せずに、S字にカーブした2本の背柱とセントラルステイと呼ばれる横木によって快適性への独自の工夫がなされた最小、最軽量のウインザーチェアです。背柱の先端が渦巻きのような形状をしていたことからスクロールバックと呼ばれ、その後日本の民藝家具にも多大な影響を与えました。 

TLSB chairは、Triangular-Legged Scroll-Backの頭文字から取った名前で、背柱、貫、後脚を三角形に組んで、その上にラタン張りの座枠を固定する独自の構造を持ったスクロールバックチェアという意味です。効率的な材料取りと剛性の観点から考えられたこのオリジナルな構造によって更なる軽量化を実現し、片手で簡単に持ち上げられる扱い易い椅子に進化させています。構造自体を大胆に改変しながらも、セントラルステイやスクロールなどの原型の要素は引き継いで洗練させることで、クラッシックとモダン、西洋と東洋の融合を感じられるデザインになっています。小さな座面、カーブしたやや高めの背もたれ、独特のサイズ感を持った佇まいは、150年の時を経た今でも新鮮に感じられます。 

Yamazakura

私たちは20年以上にわたり、日本の伝統的な建築意匠である縦格子をテーマにしたチェアの製作に取り組んできました。この過程で、チェアを構成する部材の断面形状によってデザインの印象が大きく変わることを実感しています。例えば、断面が四角形の場合、面の切り替えがはっきりとしており、コントラストが強い印象を生み出します。一方、丸棒形状で構成すると、柔らかな陰影が生まれ、優しく穏やかな雰囲気になります。 

Yamazakuraは、四角でも丸でもない楕円形のフレームに、四角形の縦格子を組み合わせたチェアです。この楕円形は単に丸みを帯びたものではなく、頂点がわずかに尖った独特のフォルムを採用しています。この形状により、アームから背柱、笠木へと面のねじれと共に、一筆書きのようなアウトラインが生まれ、美しくつながっています。これにより、柔らかな陰影とシャープな面の切り替えが共存する独自のデザインが生まれました。 

日本建築に見られる縦格子は静的な印象を持ちますが、Yamazakuraの背の縦格子は笠木のカーブに沿って組み付けられ、背柱や後脚と交差することで、豊かな奥行きと立体感を生み出しています。Yamazakuraは、見る角度によってさまざまな表情を見せ、私たちに新たな美しさを楽しませてくれます。 

Vestige

19世紀半ばにトーネットがブナ材を蒸気で曲げる技術を発明したことで、史上初めて家具が量産されるようになりました。日本では今から100年以上も前の1910年に良質なブナ材が豊富であった東方地方に曲木技術を導入した工場が設立されました。湯気が立ち上がる工場では、曲木工法によって職人が一脚一脚を丁寧に仕上げていきます。部材を蒸気で曲げた後に南京カンナと呼ばれるカンナで滑らかに仕上げていく工程、カンナを引くたびに現れるランダムな凸凹の陰翳がなんとも言えない美しさを作りします。合理的生産性の追求から生まれた曲木の技術ですが、精度やボリュームを求めるのではなく、途中工程で表れる手仕事の痕跡をあえて残す事で完成されたプロダクトとは異なる価値を生み出したいと考えました。身体をすっぽり包み込むシェルデザイン抑揚のあるフレームと手仕事から生まれる優しい木の風合い私たちの生活にそっと寄り添ってくれるこの曲木椅子は、過去の技術と現代の思考が混じり合い、時を紡ぐ新しいカタチとなりました。 

The wooden cantilever chair

成形合板は、木材の持つ温かみや特性を活かしながら複雑な曲面構造を実現し、無垢材では成し得ない形状と強度を獲得できる技術です。私たちはこの高度な技術を再評価し、素材感や表現の新たな可能性を追求することで、独自のデザイン性を備えたプロダクトの開発を進めてきました。 

その成果として誕生したThe wooden cantilever chairは、アームから滑らかに繋がるバウハウス式のカンチレバー構造を採用した椅子です。成形合板ならではの強度を備え、木材の自然で柔らかなしなりが優しい座り心地と身体へのフィット感を生み出しています。さらに、無垢材と同じ感覚で楕円形状に削り込むことで、成形合板とは思えない、無垢材のような柔らかな手触りと木の温もりを感じられる仕上がりを実現しました。フレームが支える座面は、精緻に削り込まれた面形状と有機的なラインを持つ独立した縦の部材が、同じ木製の横の部材によって連結され、一つの美しい造形へと統合されています。これにより、各部材の個性が調和しながら全体の流れを生み出し、視覚的にも豊かな表情を持つプロダクトへと昇華されました。 

Kouryu

KouryuはNoma Kyotoのためにデザインされた椅子で、スツールは後になってコレクションに追加されました。日本語の「交流」から名付けられたKouryuは、名前の通り異文化同士の美しい出会いを象徴し、日本とデンマークの美意識、品質、ディテール、職人技に対する共通の情熱を表現した椅子です。その姿や感触は日本とデンマークの両方の感性を体現しており、素材と表現に対する新たな視点を備えています。 

目指したのは、見て美しいだけでなく、五感でその存在を捉えられる椅子を作ることです。腰掛けると美しく柔らかな木目や優美な丸みを帯びたカーブが身体を優しく包み込み、そして畳の座面からほのかに香るい草の芳香を楽しむことができます。 

寺社建築によく使われる欅を使用したこの椅子は、その独特な木目と色合いが特徴です。また、畳を使用した座面は非常にユニークで革新的です。畳は伝統的に平らで四角い形をしているものですが、京都の畳職人の高い技術により柔らかく立体的な形を実現し、快適な座り心地と美しさをもたらしています。 

Fly me to the moon

このアームチェアは、背板、肘、座枠、脚を含む椅子の基本的なパーツを全て無垢材で構成しています。各パーツの断面形状はリーフ形で、背板から肘や脚にかけての部分は腰をしっかりと支え、フィンガージョイントで接続された座枠から枝分かれした脚に至るまで、すべてのパーツがシャープなエッジでシームレスに繋がっています。これにより、全体としての統一感と一体感、そしてシンプルで美しい佇まいを実現しています。 

Struct chair

Struct chairは、先人たちへの敬意と適材適所というテーマから生まれました。19401960年代、いわゆるミッドセンチュリーと呼ばれる時代に生まれた椅子のなかには、いまもなお愛され続けているもの少なくありません。その時代に生まれた椅子の様式のひとつクロームメタルの脚合板の座」という構成があります。構造的な合理性と素材の組み合わせによる美しさを見出したその構成に倣いながら、新たな価値を創出することを目指して生まれたのがこのStruct chairシリーズです。人を支える部分には強固で安定した金属を、人と触れ合う部分には優しく心地よいを用いることで、機能性はもちろんそれぞれの素材による美しいコントラスト生まれました。またサイドチェアアームチェアにスタッキングの機能を持たせました。一見シンプルでありながら有機的なディテールを併せ持つ特徴的な笠木と、金属ならでは繊細な脚部が描き出すシルエットは、日本の道具のように、機能的でありながら凛とした美しさをもってあらゆる空間に心地良さをもたらします。 

Nenrin

Nenrinは、日本三大人工美林の一つである吉野杉を木工ろくろで削り出して作られた、両面使いが可能なスツール兼サイドテーブルです。吉野地方では、密植、枝打ち、間伐といった手間を惜しまない丁寧で計画的な管理により、質の高い森林資源が循環し、500年以上に渡って人工林が維持されています。 

他産地の3〜4倍もの密度で植えられた苗木が競い合い、間伐を繰り返して長い年月をかけて育てられた、年輪の幅が細かく均一な木材は吉野杉の特徴です。その美しい色艶と香りは、この産地ならではの魅力といえます。 

このプロダクトでは、吉野杉の均一で細やかな年輪を最大限に活かすため、ろくろ加工を観察しながら形状を慎重に決めました。削る角度や形状によって年輪の見え方が異なり、それに伴い製品の雰囲気も大きく変化します。それぞれの木目、色、節などには一点一点異なる個性があり、そこには長い時間をかけて山で育まれた木々の歴史が詰まっています。 

shelves

Grid Shelf

Grid Shelfは、壁面全体を多彩な表情に変えられる建築的な存在感を持つ壁面収納を無垢材で製作するというアイデアから生まれました。シンプルなグリッドの組み合わせによって、柔軟かつ美しく構成されるこの収納は、控えめな佇まいの中に素材の力強さを兼ね備えています。 

通常は大型の壁面収納に無垢材を使用することは稀ですが、この家具では、無垢材の豊かな質感を最大限に活かしながら、インテリアと調和するデザインを追求しました。丁寧に削られた薄い無垢材の面は滑らかでありながら、節のある木材を意図的に使用することで、静けさの中に力強い表情を宿しています。その結果、空間の中で美しい背景として機能しながらも、素材そのものの存在感を感じさせます。整然としたグリッドを基本的な構成とし、使用シーンに応じた多様なバリエーションを展開しています。複数のアイテムを組み合わせることで空間にリズムが生まれ、生活の中で様々な使い方が可能です。書籍やレコードを美しく並べられるだけでなく、あられ組で作られたトレーの中には、小物類も整然と収納することができます。 

Arashiyama Sways in the Wind

Arashiyama Sways in the Windは、京都・嵐山の竹林が風に揺れる姿を水平の動きで表現した、可変性のあるスタッキングシェルフです。それぞれの棚が繊細に動きを持つことで、用途に合わせて縦にも横にも自由に組み合わせることができ、多彩な表情と動きのあるアクセントを空間にもたらします。シェルフは嵐山に広がる竹林や日本の風景をイメージし、その情景を思わせる無垢材で構成されています。丸柱は、まっすぐに伸びた竹を模したデザインで、程よい間合いで配置することで、心地よい木漏れ日のような光を感じさせる効果を持ちます。また、この構造は空間を緩やかに仕切るパーテーションとしても機能し、実用性とデザイン性を兼ね備えています。Arashiyama Sways in the Windは、静かな竹林の美しさと風が運ぶ穏やかな動きを空間に取り入れるシェルフとして、インテリアに自然と詩的な魅力を加えます。その柔軟な構造と洗練されたデザインは、日常の中で新たな表情を与えます 

Kigumi Stacking Shelf

シンプルで潔いデザインを持ち、使い勝手良いシェルフです4段までスタッキングが可能で、リビングやワークスペースでのレイアウトの自由度が広がります。収納とディスプレイの両方の機能を兼ね備え、空間を柔軟に演出します。 

Kigumi Thin Shelf

木組みの思想を継承しながら、構成する部材を極限まで細くし、軽やかさを追求したシェルフです。スノコ状の棚板は、杉材の温かみとともに、繊細な緊張感を生み出します。その形状が作り出す光と影のコントラストは、静かで柔らかな印象をもたらし、空間に繊細な表情を与えます。 

Chigaidana Shelf

Time & Styleのプロダクトに、古代の日本の木工技術と美意識を再認識することから生み出されたTanazushiがあります。1300年前に建てられた東大寺や薬師寺、そして世界で最も古い木造建築である法隆寺といった古典建築が持つ建築の本質を体現したプロダクトです。その古典から学ぶことを基として、自然素材である木材の特性を活かし、四季や時の移ろいをそのまま感じさせ、現代のリビング空間を美しく、そして表情豊かに演出することが出来る無垢材による新しいシェルフを製作しました。 

伝統木造建築の要である水平垂直の意匠をベースとし縦に通した柱に絶妙なバランスで互い違いに配置された棚板が広がって行きます。変化に富んだ表情は書籍や小物、植物などのディスプレイをより引き立たせるだけでなく、木目の模様、節目等、無垢材がもつ独特の風合い、これらがすべて調和し特別な空間を創り出します。 

Tray Tower

9ミリ角のスチールフレームにスライドして収納できる木製トレイを組み合わせた、ミニマルなデザインのキャビネットです。簡潔で直線的な、無駄を省いたこのキャビネットは、その凛とした佇まいがリビング空間を引き締めます。収納された木製のトレイは単体で使用する事可能で、様々なシーンで柔軟な使い方が出来ます。素材はオークのビーズワックスとセンのソープフィニッシュの2種類があり、黒の艶消しのスチールフレームそれぞれ違っ表情を引き立てます。5段、7段、14段のサイズバリエーションがあり、それぞれのシーンに合わせて展開することが出来ます。 

Multilayered object

厚さ5mmの透明なカラーアクリル板を最小限の構成で仕上げ、透過する光と色が交差するシェルフです。接合部が透けて見える透明な素材で青、緑、紫の3色が重なり合うことで深みのある色彩を生み出します。低いタイプはソファのサイドテーブルとして、日常の中でさりげなく機能しながらも、独自の透明感と軽やかさで空間に静かなアクセントを添えます。高いタイプはデスクの横や何気ない場所で、光や周囲の環境を映し込みながら視覚的リズムをもたらすオブジェのような佇まいをもちます。 

このシェルフは、単なる収納家具だけではなく、光と色が織りなす繊細な表情を楽しむためのオブジェクトでもあります。透明なアクリルが生み出す色彩のグラデーションと陰影の移ろいは、時間とともに変化し、見るたびに新たな表情を見せてくれますそれぞれの色が描き出す異なる世界観を楽しみながら、感性に寄り添う存在として日常の中に静かに溶け込み、空間を引き立てます。 

cabinets

Museum cabinet for living 

Museum cabinet for large objects 

Museum cabinet for tableware 

Museum cabinet for books and records 

Museum cabinet for small objects 

Museum cabinet for pray 

museum cabinet for private collectionは、美術館や博物館のコレクションケースのように、蒐集された品々を美しく魅せるキャビネットとして誕生し、私たちのものづくりを象徴するプロダクトとなりました。その本体は、日本の伝統的な木工技術を取り入れたフレーム構造を採用し、強度と意匠の両立を追求。外側面には緩やかな膨らみを持たせ、硬質になりがちなキャビネットに柔らかな表情を与えています。さらに、古典的な「玉縁」の装飾が施され、日本的でありながらも東洋的な美意識を纏っています。日本式の引戸にはレールなどの金属を使用せず、扉枠の上下に溝を掘る伝統的な手法を採用。日本の家具や建築の建具を意識した設計が施されています。まるで小さな建築物を作るように、日本の木工技術のみで組み上げられたこのキャビネットは、木造建築の軸組を想起させるフレーム構成や、建築を支える木組みのような脚部を備え、日本の洗練された建築の美しさを体現しています。また、美しい建築物が大開口から光を取り込むように、5面のガラスが自然光を存分に引き込み、収納された品々を優美に照らします。窓際に設置すれば、外の緑を借景として映し出し、収納という機能を超えた、美しいオブジェのような存在感を放ちます。 

museum cabinet for private collectionは新たに10型のバリエーションを加えました。素材、プロポーション、用途を再構成し、天板・側板・背板に表情豊かな無垢材を使用しています。プロポーションを見直すことで、装飾性を削ぎ落としながらも力強い存在感を持ち、生活空間に静かに寄り添う佇まいを目指しました。収納物や設置する空間、使用する人物によって、それぞれのキャビネットが独自の雰囲気を纏うよう設計され、個性豊かなバリエーションが生まれました。無垢の板は、湿度や環境の変化に敏感で、長期間の乾燥工程を要し、加工も難しい素材ですが、「永く使い続けることができ、素材が持つ手触りを大切にしたものづくりを追求する」という私たちの理念のもと、自社工場で培われた職人の技術と知識を結集し、この新たなmuseum cabinetを完成させました。 

Keyaki cabinet

museum cabinet for private collectionはTime & Styleのものづくりの中でも象徴的なアイテムです。このキャビネットをNoma Kyotoのために日本の象徴的な木のひとつである欅を使って製作しました。キャビネットの4面を突板よりも厚い3mmの挽板で覆うことで、欅の特徴的な木目と色が際立ち、力強い佇まいが生まれました。 

欅は古くから日本の建築や家具の製作に重用されてきました。堅く暴れが起きやすい欅の加工は容易ではありませんが、卓越した職人の技術のもとで複雑な仕口を用いて製作しています。 

Ottoman

Iwa ottoman

「岩」という言葉にはゴツゴツした硬質な印象があるかもしれませんが、大自然の中で丸みを帯びた大きな石の塊をイメージしています。山から湧き出た水が川となり、その流れの中で年月をかけて角が削られ、なめらかで丸みを帯びた石へと変化していく姿を表現したオットマンのシリーズです。デザインは、正方形・長方形・三角形・不定台形のさまざまなサイズ構成から成り、単体での使用はもちろん、複数を組み合わせることで自由自在なレイアウトが可能です。これにより、空間に有機的でダイナミックな表情を生み出しています。四隅の継ぎ目部分は、ステッチが交差する一般的な手法ではなく、交差する直前で折り返すことで、丸みのあるフォルムに自然に溶け込むよう工夫されています。また、横に伸びるスリットには、使い道が限られるレザーの残革を当て布として活用しています。これは、岩に入ったひび割れを思わせるアクセントとして機能しています。 

lights

Amagumo

日本特有の木組み技術と美濃和紙を組み合わせたAmagumo(天雲)。指物細工による端正な直線を持つ箱は、複雑な構造やおさまり、強度、仕上げの美しさに徹底的にこだわり、試行錯誤を重ねることで生まれました。この職人技が凝縮された箱を重ね合わせ、意図的にずらすことで生まれる立体的な不完全さは、上空を漂う変化に富んだ雲の軽やかさや無重力感を表現しています。同時に、見る角度によって異なる表情を見せるデザインは、自然界の不規則性や無作為な美しさを想起させます。 

日本の伝統美を現代的なインテリアと融合させ、新たな解釈を加えることで、モダンなデザインへと昇華させました。そこには、心地よい暮らしのために自然や季節の移ろいを空間に取り入れるという、日本古来の文化やしつらえの精神が息づいており、日本人の心の奥深くに眠る記憶を呼び覚まします。 

ときに神秘的で、ときに穏やかな表情を見せる”空に浮かぶ雲”を表現したAmagumoは、空間に動きと静けさをもたらし、優雅な彩りとなって存在感を放ちます。そして、和紙を纏うように拡散する柔らかな光が、温もりと品格を添えるとともに、そこに佇む人や物をやさしく照らします。 

Spacecraft

Spacecraftは、その名の通り、想像の中の宇宙船を思わせる形状のシェードが特徴的なペンダントライトです。日本を代表する木材である秋田杉は寒冷地の厳しい環境でゆっくりと成長するため、年輪が詰まり、美しい細やかな木目と高い強度を兼ね備えた特別な素材です。日本全国に生する杉材は、古来より建築や器具に広く用いられ、日本人の生活に欠かせない存在です。シェードの内側には最高級の那須楮を原料にした美濃和紙が用いられています。この手漉きの和紙は、幾重にも重なる楮の繊維が光を柔らかく拡散し、優しく複雑な反射光を生み出します。木材と和紙という日本の伝統的な素材の組み合わせにより、心地よい光と温かみのある質感を空間にもたらします。強い曲線で構成されたダイナミックなフォルム、曲木加工の限界に挑戦し、木の厚みや加工方法、そして和紙の貼り方を一から模索しながらこの形状を実現しています1本のフレームは、薄い板を熱で柔らかくし、慎重に曲げと接着を繰り返して幾重にも重ねて作られます。また、複雑な曲線部分には独自の方法で和紙が貼られ、熟練の職人によって丁寧に1枚ずつ仕上げられています。低い天井の空間でも大きなペンダントライトをバランスよく設置できるよう、横幅を広くしながら高さを抑えました。 

Hozuki

柔らかな曲線が連なり形作られたHozukiは、そのフォルムから生まれる微かな陰影が灯りに立体感をもたらし、空間に穏やかな表情を与えます。どこか親しみやすく、安心感を抱かせる形状は、リビングやダイニング、ベッドルームなど、様々な空間に自然と調和し、控えめながらも存在感のある佇まいを演出します。このシリーズには、ペンダントタイプが2サイズ、フロアスタンドタイプが3サイズのバリエーション用意しています。シンプルなデザインであるがゆえに、異なるサイズを組み合わせたり、同じサイズのものを並べても、空間が雑然とせず、統一感を保ちながら優しい光のアクセントを加えることができます。そのミニマルな美しさは、単体でも複数でも空間を上品に彩ります。  

Koma Paper Lamp

Komaは、日本語で「独楽(こま)」を意味します。世界各地で親しまれてきた伝統玩具である独楽からインスピレーションを得て、日本の提灯づくりの技術を活かし、照明として再解釈したプロダクトです。そのデザインは、幾何学的なシルエットが特徴であり、薄く作業性に優れた石州和紙を採用することで、その形状を美しく表現しています。 

和紙は滲みやすい特性を持つため、大きな面に色を塗ることは大きな挑戦でした。そこで、日本画からヒントを得た「礬水引き(どうさびき)」という技法を用いて、和紙に滲み止めを施しています。この技法により、和紙に筆で丁寧に着彩を施すことが可能となり、一点一点手作業で色付けされた提灯が生まれました。独特の柔らかな色彩と光が空間を穏やかに照らします。 

フロアスタンドのベース部分は、「ヘラ絞り」という技法で製作され、風合い豊かな黒色を表現しています。この黒は真鍮を黒染めした後、独自に調合したビーズワックスを塗布して仕上げられたもので、手仕事による温かみが感じられる仕上がりです。 

Arita

およそ400年前、九州・肥前の地で日本における磁器製造がスタートしました。その伝統を受け継ぐ有田焼の窯元と共に製作した白磁の照明のコレクションです。磁器は白色度が高く、透光性を持つことが特徴です。陶器には光を通す性質はありません。焼き物の素地の中では唯一、磁器だけが光をやわらかく透過させます。 

生地の成形には、陶磁器の成形方法の一つとして古くから行われてきた排泥鋳込の技法を用いています。泥漿と呼ばれる水などで緩めた粘土を乾いた石膏型に注ぎ入れ、口いっぱいまで満たすと、石膏が泥漿の水分を吸収して型に接する部分から徐々に固まり始めます。時間が経つにつれ厚みが増し、わずか数分の違いが仕上がりを左右するため、慎重に時間を測りながら成形を行います。理想的な厚みになった時点で内側に残った泥漿を流し出し、しっかりと固まったら型から外して口元を整え、生地が完成します。 

焼成の過程では15%近くもの収縮が生じるため、生地は完成寸法よりも一回り大きく成形します。このコレクションの中でも特に大きなサイズのものでは、石膏型に泥漿を流し込むと総重量が100kgを超え、鋳込みも排泥の作業も二人がかりで行う大仕事となります。さらに、乾燥や焼成の工程ではわずかな条件の違いで歪みや割れが生じるため、ひとつひとつの作業を細心の注意を払って進めています。普段は食器類を主に生産している窯元にとっても、型作りでこれほどの大きさの品物を製作することは新たな挑戦でした。泥漿の調整から鋳込みの時間、生地の厚み、焼成温度や収縮のコントロールに至るまで、あらゆる要素を見極めながら試行錯誤を重ねたことで、このコレクションが実現しました。 

釉薬を施さず、白磁のマットな素地の質感をそのまま生かした仕上げとしています。型で成形されたシャープな面が織りなす幾何学的な造形は焼成の過程を経ることでわずかにやわらぎ、整然とした中にも穏やかさを感じさせます。消灯時には彫刻のような端正な佇まいを見せる一方、光を灯すと泥漿の流れによって生じた揺らぎが面に現れ、温かな色調と共に有機的な表情を浮かび上がらせます。 

After Dark / After Dark candlelight

色付きの板ガラスを貼り合わせ、電気の照明とキャンドルホルダーをしつらえるスタンドを製作しました。ガラスの透明感と板を組んだミニマルな構造が際立ち、透過する光の美しさを純粋に楽しむことができます。 

電球そのものが主役となる照明は、グレーガラスを通して広がる光がほのかに色を帯び、空間に柔らかな陰影をもたらします。キャンドホルダースタンドは炎のゆらめきがブロンズカラーのガラスに映り込み、あたたかでありながら静謐な空間を生み出します。 

ラインナップにはそれぞれ床置きタイプと卓上タイプを揃えました。単体での使用はもちろん、複数を連続して配置するとガラスの色と光が幾重にも重なり、詩的な存在感を放ちます。 

Enshu

Enshuは、茶人・小堀遠州が考案したとされる円筒形の行灯を再解釈し、デザインされた照明です。従来の日本の和室や畳の上だけでなく、ソファやチェアが設置された西洋のリビングやダイニングなど、さまざまなシーンに調和する高さとデザインを追求しました。その結果、伝統的な趣を保ちながらも、モダンな空間にも溶け込む柔軟性を持つ照明が完成しました。 

フレームには、秋田杉を採用しています。成長が遅く目が詰まった赤身の秋田杉は、日本の指物にもよく使われる高品質な木材であり、美しい木目と高い耐久性が特徴です。精密に加工された木枠は、熟練した職人の手によって丁寧に組み上げられています。また、シェードに使用されている手漉きの美濃和紙は、柔らかな光を空間に灯し、穏やかで心地よい雰囲気を作り出します。 

Two shades of white

有田焼の窯元で製作した白磁のベースに、白い麻布のシェードを組み合わせた照明です。十二角柱の直線的な造形と円筒形のシェードのフォルムがコントラストを成し、彫刻のような佇まいを生み出します。 

白磁と麻布は、どちらも白色でありながらその質感の違いから光の受け止め方が異なります。磁器の透き通るように白く硬質な表情に対し、わずかにスラブの入った麻布は陰影を含み、温かみのある風合いをたたえています。相反する印象を宿しながらも、どちらの白も素材そのものの色であることがこの照明の本質です。点灯すると質感の違いがさらに際立ち、白磁の凛とした静けさと麻布の素朴な柔らかさが響き合って穏やかな光が満ちてゆきます。 

tables / consoles / small tables

Yoshino table

Yoshino tableは日本の木工の伝統、特に釘を使わない宮大工の仕口からインスピレーションを得ながら日本とデンマークのエッセンスを取り入れています。 

奈良県吉野産の杉材は150年以上かけて丹念に育てられた木から切り出された美しい柾目が特徴です。吉野の豊かな土壌は自然の美しさが引き立つ、きめ細やかでまっすぐな木目を育みます。 

テーブルのデザインは森へのオマージュであり杉材の純粋な美しさと本質的な素材感を讃えています。脚と幕板の継ぎ目や接合部は日本の伝統的な木工技術や建築様式に着想を得た仕口構造がデザインの重要な要素となっています。 

Kigumi Table

秋田杉の木目の美しさと質感を最大限に引き出した天板を持つダイニングテーブルです。厚みのある天板は、重厚感と端正さを兼ね備え、構造美と安定感を持つ脚部がその天板を支えます。空間に凛とした空気をもたらし、静かで洗練された佇まいを演出します。 

Kigumi console

木目の美しさが際立つ、程よい奥行きを持つコンソールです。カウンターやデスク、飾り台など、さまざまなシーンや用途で活躍します。脚部の木組みの意匠が、インテリアに静かに調和し、空間に穏やかな存在感をもたらします。 

Parthenon

多角柱の形をした有田焼の白磁のサイドテーブルです。側面にはギリシャ建築の柱を連想させる縦方向のゆるやかな溝が施され、繊細な陰影のグラデーションを描き出します。そのフォルムはギリシャ建築の大理石のように厳密な均整を保ったものではありません。焼成の過程で生じるわずかな歪みが焼き物ならではの穏やかさを宿しています。 

家具としての白磁の造形はインテリア空間に新鮮な印象をもたらします。モダンな空間にも伝統的な和の空間にも調和し、サイドテーブルとしてはもちろんのこと、単体でオブジェのようにしつらえることで磁器の持つ純粋で静謐な存在感が際立ちます。従来の磁器の概念を超え素材の新たな可能性を拓くアイテムです

Woodpecker

Woodpeckerは、木を突くというそのユニークな生態から名付けられた、啄木鳥に着想を得ています。くちばしで木を突く様は私たち人間には非日常的な行為に見えるものですが、彼らには必要な営みであり、相反する二重性に惹かれます。キツツキの生み出すリズムや音色は、歌人石川啄木を含む多くの人々に癒しをもたらしてきました。森に響く音は、まるで遠い時や空間に連れて行ってくれるようです。 

このテーブルは家具としての木材と金属の共存を目指しつつ、シャープさと愛嬌あるデザインが融合された作品です。生活にアクセントを加える存在でありたい、エネルギッシュな自然のリズムが感じることができるようにという願いから生まれました。 

Kasama

Time & Styleの食器のコレクションに笠間焼の俎板皿があります。このデザインを大きなサイズで製作することで新たな存在感が生まれるのでは、という着想から誕生したのがKasama Tableです。粘土の塊を平板状に切り出して組み立てるタタラ作りの技法を用い、天板に脚を付けて成形します。サイズは窯の棚板に乗せられる最大寸法としました。これほどの大きさになると焼成時に天板が垂れて歪みが生じやすいため、窯詰めの際には棚板との間に何本ものトチ(支え)を立て、慎重に焼き上げます。 

ダイニングテーブルやローテーブルに重ねて2層目の天板としたり、畳の上に直接置いてしつらえたり、自由な発想で多彩な用途に展開することができます。もちろんバスルームや屋外での使用にも適しています。陶器ならではの上質な艶がインテリア空間を静かに彩ります。 

Piccolo

アルミのサイドテーブルに、新たにコンパクトなサイズのバリエーションが加わりましたコンピューターやカメラなどの精密機器にも採用される、耐食性に優れたアルマイト加工によって仕上げられています。アルマイト処理によって生まれる多孔質層に染料を浸透させ、アルミそのものを染め上げることで、素材の表面を塗膜で覆う塗装とは異なる、深みのある表情をもたらします。 

Piccoloは名前のとおり小ぶりで愛嬌のあるフォルムながらも、確かな存在感を放ち、空間にアクセントを添えます。リビングのサイドテーブルとしてはもちろん、ベッドサイドやエントランスなど、さまざまなシーンで活躍するサイズ感です。6色のカラーバリエーションと2種類の高さで展開され、機能性とデザイン性を兼ね備えています。 

partitions

Hazakake

かつて日本人の暮らしは、柱と屋根を基本構造とする壁の無い軸組の建物に御簾(みす)や蔀戸(しとみど)などを立てて空間を仕切る可変的なものでした。日本的空間原理の本質は、この「仕切り」に対する感覚にも表れています。日本人にとっての仕切りには「認識の仕切り」と「明示的な仕切り」の二つがあります。工業化された近代以降は、壁などの「明示的な仕切り」でなければならなくなっていますが、もともとの日本人の感覚では空間に「線を一本引いた」ものも立派な仕切りでした。空間においても、自分の認識によって自在に「仕切り」をつくったり消したりしていたのです。舞台における黒衣(くろご)の存在は、日本人にとっては「ないもの」として認識できますが、欧米人には「不思議な黒い衣裳を着た人」として「あるもの」に認識されます。 

Hazakakeは日本の秋の稲刈りの風景を表現した竹の衝立ですが、「認識的な仕切り」と「明示的な仕切り」を合わせ持った空間における標の様な家具です。 

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